当院における大腸内視鏡検査について
HPをご覧いただきありがとうございます。
今回は当院における大腸内視鏡検査(大腸カメラ)についてご報告させていただけたらと思います。
大腸カメラを受ける必要があるケースとして、便潜血陽性、血便、便秘、下痢、腹痛などが考えられますが、実際に大腸カメラを受けていただくには、前日に検査食摂取、検査当日に1L~2Lの腸管洗浄液の内服という段階が必要となります。また、大腸カメラは痛い、辛いというイメージの先行から、検査機会を逃してしまい、実際に大学病院で勤務をしていた時代には進行した状態で大腸癌が見つかるケースも経験してきました。多くの大腸癌は、大腸ポリープが大きくなり癌になると言われており、ポリープの段階で切除することが出来れば将来的に大腸がんになる可能性は大幅に減少すると言われています。ほとんどの大腸ポリープは内視鏡的に切除することが出来るため、当院では大腸カメラの際にポリープが見つかった場合には、ほぼ全例その場で切除しております(一部、ポリープのサイズが大きく、入院が必要と判断した場合には高次医療施設へ紹介させていただいております)
有難い事に、当院で実際に大腸カメラを受けていただいた患者様の御紹介で、当院を受診していただく方が増えてきており、今月の大腸カメラの予約枠も7/22日の時点で100名の方を超えており、今後、今まで以上に地域貢献が出来るように頑張っていければと思っています。
そこで今回、当院で大腸カメラを検討されている方へ一つ当院のデータを公表させていただき、今後の参考としていただければと思います。
当院では全ての大腸カメラを院長が対応しており、今後定期的にフォローさせていただける際の大腸カメラ挿入の難易度を把握するために、全例で大腸カメラ挿入時間を計測しており(これは今までトレーニングを積んできた施設での先輩からの助言でもあり、今でも意識はしています)、直近100名の患者様の直腸から盲腸到達までの挿入時間をまとめさせていただきました。
1分以内 6% 1~1.5分 22% 1.5~2分 33% 2~2.5分 17% 2.5~3分 8%
3~3.5分 3% 3.5~4分 3% 4~5分 4% 5分以上 4%
当院の大腸カメラは麻酔を使用したうえで、軸保持短縮法という大腸への負担が少ない方法を基本として挿入し、また、腸への負担が少ない炭酸ガスでの観察を行っている為、殆どの方に検査中及び検査後も楽であったとおっしゃっていただいております。大腸カメラは盲腸まで挿入後、直腸まで戻ってくる際に観察を行う検査であり、観察時間とポリープ発見率の関連性は認められておりますが、挿入時間のスピードとポリープ発見率の関連性はまだ一定の見解が得られていないのが現状です。しかし、検査時間が長くなると、大腸の動きが活発となり、ポリープ切除の難易度が高くなったり、観察自体が困難となるケースもある為、やはり大腸カメラの挿入時間は意識すべき点ではないかと考えています。
今後当院での大腸カメラを御検討いただける際の一つの情報となればと思い公開させていただきました。これからも、様々な情報をお伝えしていけたらと思いますので、引き続き荒川西日暮里駅前すがわら消化器内科・内視鏡クリニックを宜しくお願い致します
院長 菅原一朗